読書10月

 まるっきり更新を怠っていて申し訳ありません。
 遅ればせながら、10月の読書…をいまさら振り返ってみる(苦笑)。


10月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:3038ページ

インシテミル (文春文庫)インシテミル (文春文庫)
読了日:10月31日 著者:米澤 穂信
鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)
読了日:10月31日 著者:アイザック・アシモフ
魔王の足跡 世界探偵小説全集 (43)魔王の足跡 世界探偵小説全集 (43)
読了日:10月25日 著者:ノーマン・ベロウ
ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)
読了日:10月20日 著者:グレッグ・イーガン
完全・犯罪完全・犯罪
読了日:10月10日 著者:小林 泰三
辺境生物探訪記 生命の本質を求めて (光文社新書)辺境生物探訪記 生命の本質を求めて (光文社新書)
読了日:10月10日 著者:長沼 毅,藤崎 慎吾
Fの肖像―フランケンシュタインの幻想たち 異形コレクション (光文社文庫)Fの肖像―フランケンシュタインの幻想たち 異形コレクション (光文社文庫)
読了日:10月04日 著者:

読書メーター


(以下、読了順)
Fの肖像―フランケンシュタインの幻想たち 異形コレクション (光文社文庫)異形コレクションは第46巻にして、初の読書。書き下ろしの載るアンソロジーはやっぱり楽しいもの。ただ、この中でどの作品が好きか考えたとき、なんだか悩んでしまった。円城さんや間瀬さんの作品など好きなのだけど、自分が好きなのはもっと物語性が強いものではないだろうか…と自問自答。やっぱりエンタメ好きということなのだろうか。水準の高いアンソロジーだけに、贅沢な考えが浮かぶのかも。

辺境生物探訪記 生命の本質を求めて (光文社新書)。これは前に読んだ『生命の星・エウロパ』の著者、長沼毅さんとSF作家である藤崎慎吾さんの対談集。国内の辺境環境を思わす場所(実験施設であったり砂丘であったり)に行って、そういう環境で生きる生物について語るというもの。以前に一冊関連書を読んでいるだけにわかりやすくて良かった。ほんの少しでも知っていることがあると、納得感が違う。基礎知識は大事だなあ、と感じた。とはいえ、これは対談集なので、ここから入っても全く問題なし。純粋におもしろい。

完全・犯罪。四作収録の作品集。あいかわらずの屁理屈っぷり。「双生児」は後半にきて、予想と違う方向にいったので驚いた。それにしても怖い話。「隠れ鬼」のように日常を描いているようで、別世界の、ちょっと怖くもありおかしくもありな世界も面白い。小林泰三氏のでは表題作の路線(つっこみいれまくり路線(笑))が実はいちばん好きだけど、これは少し散漫な印象も。

▶やっとやっとで読んだディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)。ウルトラスーパーハードSFだそうな。〈ワンの絨毯〉、〈重い同位体〉あたりの新しい世界を見せてくれる部分もいいけれど、1章の孤児発生部分が感動的。また騙されてる感がしなくもないけど(笑)。それにしても、わからない部分がたくさんあることよ…とほほ。

魔王の足跡 世界探偵小説全集 (43)。〈世界探偵小説全集〉の一冊。雪のなかにつづく足跡…。殺人。たしか何年か前の「本格ミステリベスト10」で一位になっていたと思うのだけど…。個人的にはそこまで感銘を受けなかった。これ少しアクロバットすぎやしませんか?(論理の、ではなく、体をつかったアクロバット) ネタバレぎみですいません。本格でたまにある「こんなことやるかなぁ…バレたら間抜けだし」の感じも。本格好きなのでシチュエーションなどはそれなりに楽しんで読めたけれど。

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)。ずっと積ん読してた一冊。宇宙人が殺され、地球人の刑事とロボットで捜査をしていく話。話の流れは完全にミステリ的なので、はじめはSF<ミステリかと思って読み進めていたけれど、議論の中心は“ロボット”。殺人犯を捜すのが目的でありながら、ほとんど“ロボット”と“この世界のあり方”について延々と議論している。そこが面白い。SFミステリの傑作。

インシテミル (文春文庫)クローズドサークルもの。ルール設定がなかなか面白い。古典的なクローズド〜ものに対して型破りな点もあり、それはメタ的に作中でも語られる。ひとつ気になる点はネタバレしないと書けないので心の中に留めておきます(笑)(作品の欠点とかではなく、個人的に気になっただけのことです)。