読書12月

 最近、花粉がヤバい気がします。花粉なのかよくわからないけど、ときどき鼻炎…。風邪もひいていないのに、マスクです。

12月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2209ページ

郭公の盤郭公の盤
読了日:12月29日 著者:牧野 修,田中 啓文
NOVA 3---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)NOVA 3---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)
読了日:12月26日 著者:大森 望
大空の夢と大地の旅 ぼくは空の小説家大空の夢と大地の旅 ぼくは空の小説家
読了日:12月23日 著者:瀬名 秀明
エアーズ家の没落下 (創元推理文庫)エアーズ家の没落下 (創元推理文庫)
読了日:12月06日 著者:サラ・ウォーターズ
ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)
読了日:12月05日 著者:ギルバート・アデア
エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)
読了日:12月02日 著者:サラ・ウォーターズ

読書メーター


(以下、読了順)
ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)『閉じた本』などを書いているアデアが、アガサ・クリスティへ捧げたオマージュ。吹雪の屋敷で密室殺人がおこるという、いかにもな筋立て。タイトルは『アクロイド殺し』(The Murder of Roger Ackroyd)のもじりらしい。舞台が1930年代なので、いわゆる黄金時代の作家名が(現存する作家として)出てきたり、パロディ的な面白さも。細かいところで笑えます。
 そういえば、これが私にとって初ポケミスかも…。

エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)エアーズ家の没落下 (創元推理文庫)イングランドで二百年栄えたハンズレッズ領主館とそこに暮らすエアーズ家の人々。傷んでいく領主館の様など名家の生活の凋落っぷりを背景に、起きる異変がじわじわと不安を呼ぶので、けっこう恐怖度は高いかと。謎の要素も含まれているけれど、ミステリの謎解きというよりは、ゴシックホラー的な恐怖を煽るのに一役買っている感じ。いろいろな解釈ができそうな物語であり、そこが読みどころでもある。
 いままであまり考えなかったけど、ゴシックホラー系って案外好きなのかも。なにかその系統を読んでみようか。あとは先月も思ったけど、やっぱりヘンリー・ジェイムス『ねじの回転』を読まなければ…。

大空の夢と大地の旅 ぼくは空の小説家瀬名秀明氏のエッセイ。タイトルからすると、パイロットの免許を取るための訓練エッセイがメイン…だと思うのだが、ルパン小説を書くためにフランスに行ったり、新型インフルエンザの発生地に行ったり、飛行機のはなしじゃない部分のほうが多い気も(笑) 旅エッセイは基本好きだし面白いんだけれども、瀬名さんの場合は科学エッセイなど堅めのもののほうが好み。

NOVA 3---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)。毎回楽しみな書き下ろしアンソロジー。三巻め。メデューサ複合体」谷甲州氏のを読んだのははじめて。久しぶりにど真ん中の宇宙モノを読んだので、なんとなくうれしくなる。ただこれ…続編てあるんですよね? 「ろーどそうるず」はバイクの統合制御ユニットの話。バイクについてはさっぱりわからないけども、ほっこり&切ない話で好き。でもこのVPTの話ぶりって「漂った男」の通信相手の人(曖昧ですいません…)を思い出すのだけど、会話のみだからだろうか。「希望」は巻末を飾るにふさわしい力のこもった作品。重力と痛みと共感と感情移入と…。どうも消化しきれていないので、要再読ですかね…。
 しかし、このシリーズ、だんだん長い作品が増え、しかも連載まで。個人的にはアンソロで連載はやめてほしいと思うのですが、どうでしょう。

郭公の盤。「郭公の盤」が鍵になる音楽系(?)伝奇小説。古い時代の細かい挿話がけっこう面白い。しかし伝奇小説って、たまに読むとこのハチャメチャっぷりというか、殺しまくるわ、へんなものが生まれてくるわ、で痛快ですらある。「耳」が生えるエピソード、もっと面白くなりそうなんだけど、それ以上にはならなくて残念。