好きなSFについて

 過去に読んだSFで気に入ったもの10作くらい、というお題をいただいたので、すこしばかり書いてみます。といっても、漠然と10作というのは悩んでしまうので、作家がらみでちょいちょいと思いついたものを挙げてみます。
 ちなみに何故悩むかというと、同じ作家でも読んでない作品がたくさんあるパターンや、面白かった記憶はあるものの内容を覚えてないパターンがあるからです……。

クリストファー・プリースト。『魔法』と『双生児』がいちばん好き。『奇術師』は途中ちょっと長いなと思う部分があり。『逆転世界』も面白いですが最近のもののほうが好きかな。最近出たのはわりと読んでますが、『ドリーム・マシン』や『スペース・マシン』などは未読。
ジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』『ケルベロス第五の首』。これは、考えながら読むってなんて楽しいのだろうと思わせてもらった二冊です。再読しないと、と思いつつ、ぜんぜん出来てませんが。〈新しい太陽の書〉は未読。
ジョン・ヴァーリイ。『残像』がたいへん好きでして。『ブルー・シャンペン』もよかった。しかし『スチール・ビーチ』は読んでいないし『バービー〜』も挫折しているという…。
シオドア・スタージョン。『海を失った男』の「ビアンカの手」が好き。『人間以上』もいいけれど、何冊も持ってるわりに、読んでるのはこの二冊だけなんじゃない疑惑が発生中。
グレッグ・イーガン。めずらしく『TAP』以外は読んでいます。短篇集なら最初の二冊と、長編はじつは『順列都市』が好きだったりする…。『ディアスポラ』も好きですが。でも人に薦めるなら『万物理論』かなと。

 ほか好きなの/ル=グィンも好きなイメージながら『闇の左手』以外はあまり読んでいないような(子供のころ読んだ『ゲド戦記』は別として)。ワトスン『川の書』も面白かった覚えがあるけど続編は読んでいない。カードのエンダーも最初一作しか読んでいない。ティプトリーは十年くらいまえに読んだ時すごいインパクトがあったのだけど、最近未読だったのを読んだ時はそこまで思わなかったので、自分の感性が鈍ったかも、でもまあ面白い。コニー・ウィリスはわりと読んでるほうの作家なのだけど、引っぱりが長かったり(まあそこが良くもあるのだけど)、無条件に大好きとはいえないものの、でも面白い。パンシン『成長の儀式』も好きだったような。あとはアシモフのSFミステリなんかも好きですね。ああそういえば〈ハイペリオン〉は第二部までしか読んでないけど面白かった。レムも『ソラリス』しか読んでいない。『エンジン・サマー』とか『パヴァーヌ』とかも好きだー。最近だとミエヴィルも好きかも『都市と都市』しか読んでないけども。

 アンソロジーの短篇も好きなのですが、だれのどれとか挙げられないです、タイトル覚えていないので…。『スティーヴ・フィーヴァー』『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』など良かった。アンソロジーはユーモアSF系も好物です。

 続いて、いちおう国内篇も。どこかで書いたと思うのですが、わたしがSFを「SF」と認識して読み出したきっかけが、ハヤカワのJコレクションです。こんな面白いジャンルがあったのかと…やっと気づいた。第一期はけっこう読んでるかな。
 『太陽の簒奪者』『海を見る人』『グラン・ヴァカンス』『ウロボロスの波動』…。飛浩隆『ラギッド・ガール』は傑作だと。小林泰三はユーモア感覚が好き(かなり読んでいるけど、ぐちょぐちょホラーも多いので、全作は追っていない)。野尻抱介は…もしかしたら全作品読んでるかも(今、気づいた)。『太陽の簒奪者』もいいけど、ロケットガールの三巻も好きです。月からの帰還がすばらしい。『天穹の羅針盤』ってほんとに出るのか、どうなんだ。あとは小川一水も好き。ほかよく読んでるのは瀬名秀明山本弘あたりかな。瀬名秀明は『デカルトの密室』がいちばん。菅浩江『永遠の森〜』や貴志祐介新世界より』も好きですね。
 こう考えると国内はかなり偏っている。翻訳物はあまり著者を追わないけど、国内はけっこう作家で追っている部分があるので。この違いは自分でもなぜなのかわからないのですが。

 こんなところでしょうか。たぶんいろいろ忘れてるだろうけど、しょうがない。読んでない話のほうが長い気もするけど、石はなげないでください。