読書11月

 ぽつぽつと更新、現在に追いつきたいと思いつつ。11月を振り返ってみます。

11月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2224ページ

はだかの太陽 (ハヤカワ文庫 SF 558)はだかの太陽 (ハヤカワ文庫 SF 558)
読了日:11月28日 著者:アイザック・アシモフ
ゴーストハント?旧校舎怪談 (幽BOOKS)ゴーストハント?旧校舎怪談 (幽BOOKS)
読了日:11月27日 著者:小野不由美
パニック・パーティ (ヴィンテージ・ミステリ)パニック・パーティ (ヴィンテージ・ミステリ)
読了日:11月16日 著者:アントニイ・バークリー
怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)
読了日:11月13日 著者:アルジャーノン・ブラックウッド,ブルワー・リットン,ヘンリー・ジェイムズ,M・R・ジェイムズ,W・W・ジェイコブズ,アーサー・マッケン,E・F・ベンスン,W・F・ハーヴィー,J・S・レ・ファニュ
ボートの三人男 (中公文庫)ボートの三人男 (中公文庫)
読了日:11月07日 著者:ジェローム・K.ジェローム
歯と爪【新版】 (創元推理文庫)歯と爪【新版】 (創元推理文庫)
読了日:11月07日 著者:ビル・S・バリンジャー

読書メーター


(以下、読了順)
▶いつのまにか新装版が刊行されていて、つい買ってしまった袋綴じヴァージョンの歯と爪【新版】 (創元推理文庫)。実のところ、どこがいちばん驚いたかって、どのページから袋綴じにするかという点だったりして(笑) 実際、読みながら、おぼろげに思い描いていた真相が、袋綴じを破って1ページめでその像が固まったので、そのページを選んだことに感心してしまった。翻訳では、原書と同じところから袋綴じにしたらしい。作者(あるいは出版社?)はすごく考えて本にしたのだろう。そういえばこれ返金保証付き(袋綴じを破らずに出版社に送れば代金を返してくれる)だけど、返品する人ってどのくらいいるんだろう?(袋綴じの話ばかりですが、面白い本格ミステリです!)

ボートの三人男 (中公文庫)コニー・ウィリス犬は勘定に入れませんから手に取った人も多いようだけども、私もそのひとり。古き良き英国の雰囲気を味わうのにすばらしい、ユーモアにあふれた逸品。若干飽きがくる場面がないでもないが、読んでいて楽しく、こういう小説がもっとあればよいのにと思う。ボート遊びなどその時代の風習が盛り上げてる分も大きいので、他の時代だとしたらどう感じるだろうか。それともこういうユーモア小説の形式自体が、その時代のもの、なんだろうか。

怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)。怪奇ものはそんなに読んでいないのだけど、これは、か・な・り、好みのアンソロジー(年間ベストに入れたいくらい)。他の巻や他の怪奇アンソロジーも読みたくなった。アーサー・マッケンの「パンの大神」がすごくて圧倒されるが、比較的地味な「エドマンド・オーム卿」も好みだったりする。ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』を持っているけど未読。読まないと。「猿の手」は完成度の高い作品だけど、有名ゆえに話を知りすぎてしまっていて、改めての感銘はあまり受けなかった。有栖川有栖『妃は船を沈める』は、この「猿の手」を題材にした小説だが、引用されている肝心のセリフがこの訳にはなく、原文ではどうなっているのだろうと思った。

パニック・パーティ (ヴィンテージ・ミステリ)。〈シェリンガム最後の事件! 無人島に残された15人。そして事件が起こる…。〉この趣向だけでつい読みたくなる。シニカルな笑いがそこかしこにちりばめられている点もバークリーの良さ。探偵役が人を殴り飛ばしたり推理を放棄したりして…「それでいいの?」と言いたくなります(笑) 謎解きよりも、人間心理に迫る後半の狂乱ぶりに読み応えあり。

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (幽BOOKS)。大幅リライトされて復刊のシリーズ第一弾。キャラも嫌いじゃないし、話も面白いと思うのだけど、そこまで気持ちが盛り上がらなかった。やっぱりライトノベルについていけない年齢になってきたのでしょうかねえ(苦笑) とはいえ、まだ一冊めなので、続刊でどうなるか楽しみにしたい。

はだかの太陽 (ハヤカワ文庫 SF 558)鋼鉄都市の続編。主人公の刑事ベイリは惑星ソラリアで、ソラリア人の殺人を捜査することになるが、ソラリア人も一筋縄ではいかない性質を持っている…。個人的にはロボット・ダニールの出番が少なくて残念だけれども、世界と謎が密接に結びついている所があいかわらず巧い。