足跡12 

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)  09/10/26
 『宇宙消失』は読む時間がまったくなくて読み終わっていませんが、本屋でこれを購入したので、ぼちぼち読んでみています。

妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親、オルゴールのように懐かしい音楽が聞こえ続ける老婦人―脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちは、その障害にもかかわらず、人間として精いっぱいに生きていく。そんな患者たちの豊かな世界を愛情こめて描きあげた、24篇の驚きと感動の医学エッセイの傑作、待望の文庫化。

 同じ著者オリヴァー・サックスの『火星の人類学者』も興味深かった(こちらのほうが後の著作だ)のだが、これもまたいろんな神経学の症例が書かれている。面白いと思うことは失礼なのかもしれないが、脳機能の不思議さ、そして人間というものの深さに驚かされる。